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 ライブでのパフォーマンスと楽曲制作をする亀田大、松井亮太、そして歌詞制作のみで加わる塚本伸男の3人からなるユニークなメンバー構成のワカバが、8月に発売したニューアルバム『Happy Ending』を携えて全国ツアー中だ。今回のアルバムの告知チラシには、「すべての歌声は、ハッピーエンドを求めて響く」という彼らの言葉が記されていた。

 「アルバムのテーマとして、11曲に込めたそれぞれの思いをまとめた時に、“ハッピー・エンディング”っていう言葉が浮かんだんです。それぞれの向いている方向は違っても、未来を見据えて、ハッピーエンドを求めて向かっている歌詞が多いなと。つかみたい幸せはそれぞれあると思うんですけど、いつかこの喜びを一緒に分かち合えたらいいなと思って、『ハッピー・エンディング』というタイトルにしました」(松井)

 アルバムからの先行シングル〈ビリジアン〉は、真正面から「死」と向き合い、「生」のつながりを歌い、今後の代表曲になりそうな予感。

 「僕らも含め人間誰もがいずれ死ぬわけで、歌にならないかもしれないけど、メンバー3人で一度死に向き合ってみようと思ったんです。やっぱり死を考えると怖いし、今でも分からないんですけど、僕らが生きていることって、両親がいておじいちゃんおばあちゃんがいて、その前からずっとつながっている。生きていることを当たり前のように感じているけど、本当は凄いことなんだと思えて、じゃあ僕らは何を残していけるのか、次の世代に何をつなげていけるのかと考えてつくりました」(亀田)

 メンバー全員が介護福祉士としての資格を持ち、実際に塚本は現在も介護福祉士として働いているというワカバならではの説得力のある歌詞だ。印象的な〈ビリジアン〉という曲のタイトルにについても聞いてみた。

 「〈ビリジアン〉をつくる時は、メロディは最初にあったんですけど、歌詞の内容は決まってなかったんです。それで仮タイトルをつけようとしたら緑色が浮かんだんです。優しさと温かさ、でもどこか強さも感じるような色。それで緑色について調べたら、自然の緑に近い色、生命力のある色という“ビリジアン”というのがあると知って、あ、これは今の自分のイメージにピッタリだなと思ったんです。それで歌詞ができた時、直接的には関係ないけど、“ビリジアン”の表す色が、歌詞のテーマに寄り添っているんじゃないかと思えてそのままつけました。皆さんもこの歌を聴いてもらって、いろんな想像が働いたり広がったりしてくれたら良いなと思っています」(亀田)

 一昨年、内閣府の「いのち支える(自殺対策)プロジェクト」のキャンペーンソングに選ばれた「あかり」に続き、“家族”、“世代”、“命のつながり”といったテーマを歌ったこの曲も、有線やラジオのリクエストでロングヒットし話題になっている。しかし急いで付け加えたいのは、アルバムの中にはこの他に全くテーマも雰囲気も異なる、バラエティに富んだ曲がたくさん詰まっているということだ。特に後半は、コミカルな遊び心が前面に出ている曲もあって、ワカバのもう一つの持ち味を充分に伝えてくれる。

 アルバムのジャケットは、「アスファルトの横断歩道にワカバが木を植えている」というちょっと変わった写真だが、これはアートディレクターがアルバムを聴いて、「ワカバは人の掘っていないところに新たに木を植えている」と浮かんだイメージだという。実際、アルバムを通して聴くと、彼らが音楽を届けたいという気持ちが強く伝わってくるし、まだ出会ってない人たちを探しているような気もする。

 「やっぱり応援してくれるファンの方たちにはもちろんですけど、自分たちはまだまだ夢の途中ですし、もっと新しく出会える人にも聴いてもらいたいという思いもあって、自分たちで作った曲を歌って、届けて、それを成長させて、広がっていったらいいなと、そういう意味もジャケットに込められていますね」(松井)

 そんな彼らと直接出会えるライブが、10月8日に赤坂BLITZで開催されるツアー最終の東京公演だ。ツアー開始前から、「今回は、アルバムつくりながらもライブがすごく楽しみでワクワクしていて、絶対にお客さんを楽しませる自信がある」と断言する充実したワカバのステージ。この絶好の機会をぜひ見逃さないで欲しい。

オフィシャルサイト:http://www.wakaba515.com/

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(ライブ情報)

ワカバLIVE TOUR 2012 Happy Ending
10月8日(月・祝)
会場:赤坂BLITZ
OPEN 16:30  START 17:00
前売 ¥4,000 当日 ¥4,500(ドリンク代別途¥500)

10月29日(月)
morph-tokyo 10 th Anniversary special week!! 『morphのたんじょーび!!』
出演 : ワカバ / MinxZone / 阿部祐也 / THE NEUTRAL / コウダリョウイチ
OPEN 18:00  START 18:30
前売り ¥3,000 当日 ¥3,500 (ドリンク代別途¥600)


Interview&text : Eiji Kobayashi


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