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 12月19日(日)自身初のソロワンマンライブを開催する田澤孝介は、Waiveのボーカリストとして活躍し、2006年にバンドが解散した後、ユニット、ストロボを経て2008年からソロ活動を開始。現在は、SPIRAL MIND、エルニシオン、Rayflowerのボーカルとしても活動しているアーティストだ。まずは、多様な展開をしているバンド活動とソロの違いについて聞いてみた。

 「そもそもソロを始めた時にバックのメンバーがあまりにも素晴らしかったので、そのままバンドにしてしまおうって始めたのがSPIRAL MINDなんです。ですが、SPIRAL MINDの他のメンバーはみな別のバンドでも活動をしていて、なんか楽器はかけ持ちして良くてボーカルはあかんねん!ズルイわと(笑)。ギターやドラムみたいに“サポートボーカリスト”というポジションがないだけで、2つ3つやったっていいんじゃないか?

 という気持ちから始めて広がった活動なんです。それで今SPIRAL MIND、エルニシオン、Rayflowerと3つがありますが、それぞれで特徴は違いますが、この中のどれでもない世界観が出せるのがソロなんですよ」  今回ソロで始めてのワンマンを行なうことに決めたのは、さまざまな活動をする中で、改めて自分の原点に立ち返った時に、「歌」への想いが強く浮かびあがってきたということがあったという。

 「まあ酒飲みながらの思いつきとも言えるんですけどね(笑)。今年の9月くらいに、“何でオレは歌ってるんだろう?”そして“何で歌えてるんだろう?”って改めて考える時があリまして。10代から音楽やってきて、友だちが辞めていくタイミングって年齢的にいえば25と30がひとつの節目になってるんですよね。で、僕は今年32になりましたが、そこを越えて歌ってられている。それはどういうことだろう?と。原点を振り返ってみると'80年代の歌謡曲がすごい好きであったり、やっぱり歌うこと自体が好きなんやろうなというところに行き着いたんです。なら、自分は今までバンドサウンドで押してきたけど、1回とりあえずソロで歌うことをフィーチャーしてやってみたいな。よし、ワンマンやろう!って」  成功の保証はないし、その時点ではソロとしての曲もライブするには足りてなかったというが、「今ワンマンをやるとして思い描いてる世界観が表現できるライブハウスはどこだろう?」と思い浮かんだのがmorphだったというのは、なんか嬉しい。「即効電話して、3ヶ月後の12月にスケジュールを抑えて、それから曲作りの日々です」。

 話を聞いた11月の時点でも、なかなか曲が上がらなくて苦心しているようだったが、現在ソロとして歌うべき曲の方向性ははっきりしていた。「僕、吐き出さな死んしでしまうわっていうメッセージは無いんです」。大胆かもしれないが、それはある意味でとても納得のいく言葉だった。

 「もちろん伝えたいことや表現したいことはあるんですよ。あるんですけど、そんなにないとも言えて。小説のように登場人物を出してそいつの性格も語った上でこのセリフ言うからグッとくるとまでは一曲で書けないし、そういう意味では小説にも映画にも負ける。テーマとしても愛だの恋だのはもういいっていう考えもあるし、でも、一行でもいいし、ワンフレーズでもいいから、“ようわからんけど何かええ”みたいのが、聴き手に感じてもらえたらと思いますね。そういう感覚を表現したいんです、このソロのライブの日に。ひとりで全責任を負うわけですが、だからこそできることがあるんじゃないかっていう。まだ試行錯誤中ですが、大きなメッセージとは違うけど自分なりに伝えたいことを届けられる空間を生み出したいです」

 タイトルはズバリ「月に吠える。」「月にまつわる歌詞が多いんですよね。なぜ魅了されるんだろう? 太陽の力を借りないと輝けない存在ではあるけど、ええやん、人の力借りても、っていう気もするんです。満月の夜とかミステリアスじゃないですか。そういうものへの憧れなのか、届きそうで届かない想いを、“歌う”でも“叫ぶ”でもない、“吠える”だなと」。

 ライブ当日は、そんな田澤自身の姿が人々を魅了する存在であることを知らしめる、特別な夜にきっとなることだろう。

Official Web Site
http://www.powerm.jp/tazawa/

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(ライブ情報)
田澤孝介ワンマンライブ「月に吠える。」12月19日(日)
六本木morph-tokyo
前売り ¥3,000-(D代別) / 当日 ¥3,500-(D代別)
OPEN:17:30/START:18:15

Interview&text : Eiji Kobayashi


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