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 2005年、フラメンコのカンタオーレ(歌手)KSK Aritaとブルース・ロックギタリストichiroとの運命的な出会いから始まったROCKAMENCO。フラメンコとロックを融合させるというコンセプトに共鳴したフラメンコギタリストやドラマーたちが2人の元に集結し、これまでになかったワン&オンリーのオリジナルのサウンドが生まれた。2006年にメジャーデビューするや、玄人筋からもいち早く注目を浴び、中でもフラメンコを土台にしたKSK歌唱力は、近田春夫氏をして「完璧! 本物! と言いたいすばらしい声」と評され、昨今のポップスやロックシーンには稀有な存在として多くのファンを獲得した。昨年は三重県の「志摩スペイン村」の開館15周年公式テーマソングをリリースし同館のイベントにも深く関わる一方で、野外フェスに出演したり、秋から年末にかけては全国22ケ所をまわるツアーを敢行し、全国的にも広く知られるところとなった。

 さあ、今年はさらにどんな展開を見せてくれるのかと見守っていたファンの期待の中、春になって、3月15日をもってichiroがメンバーから脱退するというニュースがもたらされたのは衝撃だった。これはichiroがひとりのミュージシャンとして、自身のデビュー20年という節目にしてブルースギタリストとしての原点に回帰しようと下した大きな決断の故であった。しかし、ROCKAMENCOにとっては、2大柱のうちサウンド面でも多くを負っていた1つの支柱を失うこととなったわけで、残されたメンバー6人の動向が注目されたのだが……、半年の充電期間をへて、ついに再始動の報せが! それも、morphでのライブが第1弾となるというではないか。さっそく、KSKとフラメンコギターのDanとBitoに話を聞いた。

「当たり前ですけど、これまでと同じ状態で演奏するだけでは成り立たないんですね。だから極端な言い方すると、同じ曲でもまったく違う曲に聴こえるように、6人でのサウンドを1から作り直さなければいけなかった。まず、スタジオではそういうアレンジの作業から入っていきました」(KSK)

 「最初は僕も、エレキが抜けた分、“減っちゃった”というふうに聴こえてしまっていました。でも逆に言えば、今までできなかったアプローチが可能になるということなんです。例えばエレキとのボリュームのバランスで苦労していたところが、フラメンコの出せなかった音が出せるようになる」(Dan)

 「確かに、今までエレキに潰されていて5〜10だったところが、よりフラメンコっぽい繊細なところが見えてきて2〜10ぐらいになったよね」(Bito)

 アコースティック寄りになることで逆にドラムの2人が苦労した面もあったというが、平行して6人のROCKAMENCOとしての新たな楽曲制作にも取り組んでいった。その面でも、結成時のichiroが引っ張っていたのとは違うスタイルへ脱皮していくのは必然だったろう。「これまで吸収してきたことを活かしながらも、もっとメンバーそれぞれが曲ごとに主体になってアイデアやイメージを出しあっていくので、逆に選択肢が増えたといえますね」(KSK)

 音源リリースを待たずしてライブを決定したのは、「6人になったところの音を早く皆さんに聴いてほしいというのと、これ以上間を開けるわけにはいけないという、線引きとしてはギリギリのラインだった」(KSK)という理由からだ。「たぶんライブをやることで、改めてこの6人でやりたい考えも出てくると思うんですよ。DJ入れたいとか女性コーラス欲しいなとか、いろいろ想像できると思うので、すごく楽しみです」(Dan)。「他のジャンルと交わって、フラメンコギターが変わっていくというのは、実際スペインのトップアーティストがリアルタイムでやってることなので、それを自分が体感できているのは、やっぱり凄い体験だと思います」(Bito)

 目の前のメンバーには、不安と自信が入り交じる、程よい緊張感がみなぎっていた。「たぶん緊張するでしょうけど、エレキギターが抜けてつまらなくなったとは絶対に言わせたくない。まあ、期待してくださいよ」(KSK)。初お披露目となるいくつかの新曲も引っさげて、再び表舞台へ乗り出すROCKAMENCO。その船出となる貴重なライブパフォーマンスを、大いなる祝福で迎えたい。

oficial site http://www.rockamenco.com

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ライブ情報 ROCKAMENCO 2010 LIVE
9/14(Tue) @六本木morph-tokyo
with[Jesse The City]
open 18:30 / Start 19:00
Adv ¥3000 / Door ¥3500[Dr別]

Interview&text : Eiji Kobayashi


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