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 4月21日に1stアルバム『キャンバス』をリリースし、現在は初のワンマンツアー「声」を展開中の+Plus(プラス)。結成は2008年12月で、すでに俳優として活躍していた小谷嘉一(bass&vocal)と永井朋弥(vocal)の呼びかけのもと、MOTO(guitar&vocal)と岩元健(vocal)がメンバーに加わったのがスタートだ。その後インディーズ活動を続ける中で、ロック、ヒップホップ、レゲエ、R&Bなど多くのルーツを融合させたジャンルレスなサウンドを確立し、4人のボーカルが奏でる等身大でストレートなメッセージを強みにライブ活動を始める。昨年8月にメジャー第1弾シングル「日向に咲く夢」をリリースすると、月に10本以上というハイペースなライブ活動を行なって全国各地を駆け回り、バンドとしてのポテンシャルを高めていった。12月に発売した2hdシングル「雪道」でもバラエティに富んだ3曲を披露し、年明け1月10日に行なった初のワンマンライブも超満員の熱気で成功。快進撃をうけて3月には3rdシングル「声」をリリースし、つづけて待望のアルバム発売となったというわけだ。

 最初のアルバムにして全15曲というボリューム、そしてこれまでシングルおよびカップリングを含めて収録曲すべてがテレビ番組やドラマ・映画の主題歌に採用されていることが裏付けるように、+Plusの特徴として楽曲の幅広さが挙げられる。そのキーとなっているのは、バークリー音楽大学のプロフェッショナル課卒業というキャリアを持つMOTOの作曲だろう。クラシック以降のジャズやポピュラー音楽のハーモニー手法を世界で初めて理論的に教育したバークリーメソッドは、20世紀後半のポピュラーミュージック発展に大きな貢献をしたことで知られている。インタビュー中にMOTOは自らそのことには触れなかったが、4人全員がボーカルを務め、ジャンルレスな楽曲がスムーズに聴けてしまうのは、彼の実力がかなりのレベルであることなのに間違いない。

 「雑種的というか、メンバー4人がいることもあるし、それぞれ聴いてきた音楽や影響を受けてきたものは違いますから、それをまとめようとした時に、ひとつこういう曲調がいいと固定するのではなくて、4人で歌ってしっくりするものがあればいいなと思っています。実際に1stシングルの3曲もかなり方向性が異なったものを入れたことで、2nd、3rdシングルでも、これ全部同じ人たちなの?って思われるくらい振り幅を広く持てた。今後もその振り幅の広さが“+Plusだね”と言ってもらえるぐらいなのがいいかなと思っています」(MOTO)。

 サウンド面だけでなく、それぞれの曲のテーマやメッセージもまた多種多様だ。夢に向かって頑張っている人すべてが共感できる応援ソングや、リアルな言葉で綴られたしっとりと聴かせるバラード、躍動感みなぎるアッパーなメッセージソングなど、その多様な歌詞世界を作るのは4人の協同作業による。「アルバムを作っていくなかで、良い意味で役割分担が出来るようになって、作業はよりスムーズになってきました。こういう歌詞をコイツは書くだろうなとか、自分が煮詰まったら助けを求めて世界観を拡げてもらおうとか、それぞれの良さが上手く出せるようになってきたと思います」(永井)

 しかし、実際彼らに自信やエネルギーをもたらしてくれるのは、何よりもライブに来てくれるファンやオーディエンスの声だ。「ライブを重ねてお客さんも増えていって、直接感想を聞いたりお手紙をいただいたりするなかで、初めて僕らの曲を必要としてくれるみんながいて成立しているんだということが実感できて、自信が持てるようになりました」(永井)。実際、3rdシングルの「声」は、ライブ活動を始めた当初からセットリストに入っていた曲だが、本人たちはシングル向きというよりはリストのどこに入れてもしっくりくるニュートラルな曲と捉えていた。それが次第にリスナーの反応や感想を聞いて、「この曲はそんな力を持っているんだ」と改めて驚かされ、まさにその“声”に応える形でシングルカットされたという経緯をもつ。

 メンバー4人の個性だけでなく、歌を通してつながるファンとの絆。さまざまな思いが“プラス”されて、大きなキャンバスにどんな絵が描かれていくのか、今後がますます楽しみな新世代のグループだ。

official web site : http://plus-info.jp/


Interview&text : Eiji Kobayashi


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