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 5人のメンバー全員が千葉の習志野高校出身という「えちうら」。ちょっと変ったバンド名の由来は、高校の近くにあった「越後屋」というコンビニの裏によく集まっていたからだという。ストリートライブ中心の活動を開始し、地元ライブハウスでチケットSOLD OUTを連発。まずは女子中高生を中心に千葉県内でブレイクした。2004年11月にはメジャーデビューを果たし、以降、千葉ロッテマリーンズの公式テーマソングを手がけるなど、関東エリアで幅広い層に支持を受け、現在までに10枚のシングルと2枚のアルバムをリリース。今年3月には赤坂BLITZでワンマンライブを敢行し、大成功を収めた。デビュー5周年の今年は、3月の「Rainbow」ツアーに続き、8月から初の全会場ワンマンとなる、5ht anniversaryツアー「World」を開催中。ツアー会場の一つとなるmorphでのライブを9月20日(日)に控えて、芳賀(Gt&Vo.)と長柄(Vo.)に話を聞いた。

 まず、ツアータイトル「World」について聞いてみると、バンドの特徴を表すような面白い答えが返ってきた。「僕らは言葉を先行で決めていくタイプで、たとえば3月のRainbowツアーのときは、ある日、僕が虹を見たから“Rainbowにするよ”って決めちゃった。そしてその日から缶コーヒーのBOSSレインボーを毎日飲みつづけて験を担いだりして、じゃぁコーラスを7本にしてみようとか、あとからアイデアが湧いてくる。そしたらツアーファイナルの前日か前々日は実際に東京に虹がかかったんです」(長柄)。「なんというか、“言霊”に乗るんですよね」(芳賀)。「そうそう。それで今回の“World”というのも、ちょうど僕が海外旅行に行って、『オレら世界を目指さなきゃ駄目だ』みたいな話をしてたら、その直後に韓国のファンから『えちうらに来てほしい』とオファーを受けて韓国にワンマンライブに行くことになって、これは言葉が呼んでるなと」(長柄)。

 そうしてキーとなる言葉が決まれば、次々にアイデアが湧いてくるのだ。「今回は会場ごとに“○○○World”とて副題をつけて、それぞれ違う演出をする予定です。たとえばmorphさんでやる時は“Fire world”で、ひたすら盛り上がる曲だけをやる。他にも、歌の割り振りや立ち位置などをいつもと変えてやる“Change the world”、ファンのアンケートで曲を決めたりする“Fan's world”、とにかく喋りまくる“Talk world”など、いろいろ考えてます」(長柄)。そしてShibuya-AXでのファイナルは、“We are the world”だ。ここには、あの世紀のエンターテイナー、MJへの追悼の意も込められているのかもしれない 。

 インタビューをしながらも、2人の掛け合いのようなトークはとどまるところを知らず(MCが長い、いや巧いことでも有名だ)、アイデアが湧きだす普段の様子がうかがわれた。「意外と普段の会話から、それも脱線して本筋から外れた話から生まれてくることがけっこう多くて、ちょっと肩の力が抜けた他愛のない話が大事だったりするバンドですね」(芳賀)。「だから何か決めるときも、“ミーティングしよう”じゃなくて、“お茶しに行こう”って言うんです」(長柄)。

 リラックスした状態が柔軟な思考を生むとのは、どの仕事でも同じだろう。ただ、だらだら時間を無駄にするのではなく、しっかりと最終的に落としどころを押えて表現に繋げていくところが彼らのスゴイところだ。それは曲を作る芳賀、長柄、植草(Dr.)の三人で、歌詞の最適な言葉選びにディスカッションをするという作業にも表れている。「バンドで月3曲は新曲つくっていこうというのが今年の目標なんです。今日もここに来る途中の車の中で話し合ってました」(長柄)。

 順風満帆に見える彼らだが、実は所属事務所が倒産するという事態にも遭って、えちうらとして独立してからようやく2年になるところだ。「僕たちバンド始めて半年ですぐ声をかけられて、それから何年間も、言ってみれば大人に“飼われてた”状態だった。だから今やっと自分たちで全部やっている状態。1年目は模索でいろんなことをチャレンジしてきて、今やっと自分たちのあるべき形が分ってきたところです」(長柄)。そして自由を掴んだ彼らは、バンドだけに留まらず、それぞれにソロ活動や音楽以外の活動などにも全力で取り組み始めた。バンドの方針は「好きなことは全部やれ!」なのだ。

 「一生懸命音楽をやってますっていうタイプではないですね。人生楽しけりゃ良いなっていうタイプ。そのメッセージを伝えるツールが音楽だったというだけで。で今そのチャンネルがどんどん増えてきているんです」(長柄)。大胆だが素直なその発言に裏打ちされたポジティブなメッセージは、充分ファンたちに届いている。

http://www.echiura.com/

Interview&text : Eiji Kobayashi


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