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初音
初音の新たな魅力を引き出すバンドスタイル


 2016年9月にデビュー9年目を迎えるシンガーソングライターの初音。昨年は4月に3rdアルバム『風は君の答えを待っている』をリリースし、夏には初めてとなる全国4都市でのピアノ弾き語りツアーを敢行する他、さまざまなスタイルでのライブを展開し、12月にはミニアルバム『恋ノート1』をリリースするなど精力的に活動を行なった。その勢いをそのままに、2016年1月31日(日)には、昨年から新たに取り組んだバンドスタイルでのワンマンライブ「BAYBAND live Tokyo」をmorphで開催する。

 「音楽を好きになって欲しいという両親の思いから名付けられた」という名前の通り、小学4年で歌手を目指したという初音。ヤマハのボーカルコンテスト出場をきっかけに小学5年で作詞作曲に目覚め、翌年のコンテストでオリジナル曲のキーボード弾き語りというスタイルでグランプリを獲得。その後も地元大阪のショッピングセンターやストリートでのライブを続けながら、16歳でデビューするまでに、独学で制作したオリジナル曲は100近くになっていた。「小学校の頃から作った曲が書かれた作詞ノートと作曲ノートがあって、譜面も音源も残っています。歌詞はその当時書けることって学校生活しかないから、ほとんど実話が元になっていて、その時の好きな人のことを主に書いてました(笑)」

 それらの楽曲は、2010年から現在まで続いているアコースティック形式のワンマンライブ「初音茶屋」のワンコーナーで取り上げられていたが、それらの中からセレクトして改めてミニアルバムとして作品化したのが12月にリリースした『恋ノート1』だ。「実体験ばかりだし、自分の中では未完成なもので恥ずかしい気持ちも大きかったですけど、ライブでは『自分の青春を思い出したり、懐かしい気持ちになる』と言ってくれるお客さんの声も多くて、それじゃあ今の25歳の私が改めてアレンジを加えて作品にしてみようと思ったんです。制作を通じて、自分の写真のアルバムをめくっているような気持ちになるというか、改めて自分のことを見つめ直す良い機会になりました」。「恋」をテーマにしたこの作品は、2013年からスタートして3rdアルバム『風は君の答えを待っている』に結実した「風」3部作に続くシリーズになりそうだが、「ノート」というタイトル名には、「幼い時からずっと言葉を届けられる歌手になりたいと思っていた」という初音が小学生の時から書き綴っていたノートへのこだわりと愛着がよく表れている。

 今年中には50回を迎えるペースで回を重ねている前述の「初音茶屋」は、初音のキーボードにギターとバイオリン、パーカッションによるアコースティックのバンド編成スタイルだが、2014年からは初音のグランドピアノと弦楽器が加わる2人編成のアコースティックライブ「ピアノショコラ」も開催している。いずれのスタイルも、等身大の繊細な心の揺れを素直に綴った初音の言葉が、温かみのあるメロディーに乗ってしっかりと聴き手に届くのが魅力だが、今回morphで開催する「BAYBAND」は、ギター、ベース、ドラムのいわゆるバンド編成で、初音もピアノやキーボードを弾いて座って歌うのではなく、ギターを下げてのスタンディングのボーカルスタイル。そのことによって、初音の楽曲の新たな魅力が引き出されている。

 この試みのきっかけとなったのは、アーティストとしての幅を広げたいと感じて2012年から始めた「リブライト・ラスタンド」というロックバンドの活動にあるという。「リブライト・ラスタンドでは、私は『初音先生』という名前で白衣を着て歌っているんです。それまでの初音のライブとはある意味で対極にあるスタイルなんですけど、このバンドを経験してから、逆にこれまでの初音の曲をバンドサウンドにアレンジして歌ってみたいという気持ちが湧いてきました」。2015年の夏に初めてBAYBANDとして行なったライブは「いつもと違ってスタンディングで身体を動かして聴くのが楽しかった」と、従来のファンからも大きな反響があった。

「癒しと元気をテーマにリラックスして聴いて欲しいというのが初音茶屋だとしたら、BAYBANDではバンドと一緒になって思いっきり楽しんでもらいたいですね」。2016年に更なる飛躍を目指す初音の新しいチャレンジにぜひ注目してほしい。


Official web site:http://www.hatsune-gmjp.com


Interview&text : Eiji Kobayashi


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