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近年は俳優としても活躍する、ミュージシャン・マキタスポーツ。彼が扮するDar'k〜ness(ダークネス)率いるビジュアル系ロックバンド"Fly or Die"が、2月に好評を博したデビュー記念ライブ以来のワンマンライブをmorph-tokyoで開催する。そもそもFly or Dieはテレビ東京の人気番組「ゴッドタン」の“マジ歌選手権”企画で誕生したバンドだが、そのメンバーはマキタスポーツが長年活動してきたバンド“マキタ学級”のメンバーであり、同企画の他の出演者とは「ミュージシャン・スピリッツが違う」と言う。メジャーデビューと楽曲の世界配信も果たし、独自にライブも行うなど、その活動は番組企画を飛び越えた独自の展開を見せている。はたしてマキタスポーツはFly or Dieのプロジェクトで何を目指しているのか?

既にファンには知られていることだが、現在スピードスターレコーズより配信されている「Virgin Marry 〜聖母マリア〜」は、ビジュアル系の世界観を模しながら、V系アーティストが決して歌わないであろう母親をテーマにしたオリジナル曲「お母さん」が下敷きになっている。しかしマキタも当初はビジュアル系に特に思い入れがあったわけではない。「13,14年くらい前から一つのネタとしてやっていた曲なんですけど、ライブでやると何でこんなに盛り上がるんだろうというのが引っかかってたんです。それで途中からビジュアル系のシーンやジャンルについて自分なりに考えるようになって、これは馬鹿にできないなと強く思うようになりました」。その結果、行き着いた答えは「ビジュアル系とは音楽のジャンルではなく、ビジネスモデルである」ということだと語る。

 「とにかくお客さんをいかにして盛り上げるのかということを徹底的に考え尽くしているんです。それは楽曲構造においてもそうですし、グッズが売れるのも世界観がしっかりしていてそれぞれのキャラが立っているから。『お母さん』が盛り上がったのも、ビジュアル系のお化粧を施すように、曲のアレンジもビジュアル系の様式にそってデコレーションしたから。実際に僕がそうやって表現してみると、より熱狂度があって、グッズも売れてと、これまでと違う結果が出ました。ビジュアル系は観客側も含めてシーン全体を盛り上げていこうという意識が強く、楽しむための様式美が確立している点も素晴らしいと思いました」

そもそもミュージシャンでもある彼は、その世界を知れば知るほど、なまじ企画バンドとしてやっているわけにはいかないと考え、自身のバンドメンバーごとビジュアル系にチューンしてFly or Dieを作り上げた。ビジュアル系のシーンに「入植した」という意識があるというが、その楽曲や世界観の徹底ぶりは、過去30年間のヒットソングを分析してその法則を導き出した『すべてのJ-POPはパクリである』(扶桑社)を著し、特定のアーティストの楽曲の特徴を基にオリジナル曲を生み出す「作詞作曲モノマネ」というネタをもつマキタならではのクオリティだ。「ビジュアル系というのは、楽曲においても簡単に一括りにできなくて、いろんな音楽のジャンルを取り入れて雑食性がすごい高いんです。どのジャンルと比べても許容度が高くて、いろんな可能性を持っている。ゴールデンボンバーが生演奏をしないという“エアーバンド”として受け入れられたのもビジュアル系ならではでしょう」。何でも取り込む雑食性、そして、人をいかに盛り上げるか、楽しませるか、感動させるのかという価値観は、お笑いの世界とも通じるところがあるのかもしれない。

前回の手応えもあり、もっとやりたいという欲求も強くなったワンマンライブに関しては、「お客さんには、最初は半笑いでも、最終的には感動しているっていうところまで連れて行きたい」と抱負を語る。また、寛容さが失われキレイ事への同調圧力が強まる世の中について、「人間が本来持っている不貞、不道徳、不謹慎みたいなものをライブで出して浄化することで健康的な状態にもっていけたらと思いますね。ライブハウスってそういう自由な場なんだということもアピールしたい」とも語った。  さらなる「大きなターゲット」を目指しているというFly or Die。その物語の“第一章”となるワンマンは、マキタスポーツからDar'k〜nessへの“覚醒”を目にしながら、観客自身も何かに目覚る契機となる。その場所は夜の六本木という猥雑な空間こそ相応しい。

official website http://info.flyordie.jp/

(ライブ情報)
Fly or Dieワンマンライブ 〜渋谷公会堂 or Die 第一章〜『覚醒』
2014年9月5日(金)
会場:六本木morph-tokyo
ゲスト:新里宏太
時間:Open 18:30 / Start 19:00

※前売チケット絶賛発売中
・チケットぴあ(Pコード236-279)
・ローソンチケット(Lコード73678)
・イープラス
問合せ:HOTSTUFF PROMOTION tel :03-5720-9999


Interview&text : Eiji Kobayashi


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